2008年12月23日火曜日

さるぼぼのこと

雪に埋もれた荘川はひっそりしています。忘れた頃にお蕎麦のお客様もいらっしゃいます。 白い雪景色によく似合うものの一つに さるぼぼ があります。 「さるぼぼを作るにあたって…神出加代子 」 抜粋 農家の主婦たちは雪が降り込むと、「地べたが見えんうちに」と手仕事に精を出した。何せ自給自足だったから、味噌づくりに始まり糸紬から機織り、それに一年間の仕事着などの衣類の準備や子どもたちのお手玉や手まり、さるぼぼなどの遊び道具、子布の美しい袋物などなど、冬期間につくられた多くの手仕事を残している。私たちは、その中の一つですっかり忘れられている愛玩用の「さるぼぼ」を試行錯誤しながら復元した。「さるぼぼ」とは、「さる」は猿のこと。「ぼぼ」とは飛騨の方言で赤ちゃんを指して「ぼぼさ」、出産祝いを「ぼぼ見」などと言う。したがって、「さるぼぼ」とは、猿の赤ちゃんを意味している。〜いつしか「良縁や子宝に恵まれるように」と大人たちが手作りし
て女児の愛玩具として与えるようになったのだろう。…物が乏しく医学が進歩していない頃に、母から子へと受け継がれていたお遊び用の胴長のさるぼぼを記憶をたどりながら復元した。 〜とあります。 窓辺に飾ってある胴長のさるぼぼ。その向こうはさらさらと降る雪。そして香り高い十割蕎麦のすする音。 冬ならではの風情です。ぜひ、いらしてください。お待ちいたしております。

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