2014年5月31日土曜日

埋もれた記録

深山奥山だより 5月31日7度 上滝金山あたりの山並みも緑が日に日に濃くなっている。金山の歴史〓天正十三年以前の記録が欠落している。いうまでもなく、大地震で帰雲城が埋没し、内ヶ嶋氏理の居室のどこかに秘蔵されていた絵図、記録、城郭の内部、地下にあったであろう金銀鉱山物の倉庫も地下に眠ってしまったからだ。いっさいは秘密であった。大名も一個の企業である。機密が厳守できれば、もし戦いに破れても取引できるからだ。金鉱の正確な所在地、採取の方法、産金量、倉庫、工場の場所、主な技術者の名前、住所、いっさいが他国には機密であった。他国ばかりか、城内の人たち、親類でも、あるいは知らされなかったろう。全体をつかんでいるのは、当主と技術者のほか、何人いただろう。〓佐々氏は書いている。

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