2013年3月20日水曜日

新島追悼編

深山奥山だより 3月19日0度 今日は更に暖かになり、田んぼや畑の雪がみるみる消えていく。釣り人も訪れるようになり少しずつ春の賑わいが感じられる〓新島追悼編に四月二十九日新島着船、翁は寺町といへる所におはすと聞きて、手のまひ足のふみ処もしらす、馳行て見れは、わつか二間に九尺はかりのあはらやに、あやしの小柴垣結まわし、其人とも見え給わす、老くろみ給ひし有様、十八年ふりの対面夢の心ちして、言葉よりさきに涙わき落いふすへもわきまへす、やや有て此年月の艱苦を問移り行しことともをつらつらに語らむとすれと、千々のくさくさ云ことの込合て、十日余りは寝食も忘るるはかり、腰や足をなでながら語りつつ有たり、それより看病の暇あるときは水をくみ薪を拾ひ、浜に出ては魚を求、かやうする事八年也、新島は豆州に属し、周り六里半家数三百六十軒、島人男女千八百余人、流人百五十人、女は山に入薪をとり、甘藷を作り、男は海魚を漁り、江戸の市まちにひさきて衣食とす〓ちょうど荘川町と同じような人口、山と海の
違いは勘左衛門父子にとってどのように感じられただろう。新島に思いを馳せる。

0 件のコメント: