2013年2月12日火曜日

馬と轡くつわ

深山奥山だより 2月12日 菜の花忌 六厩の小瀬松一郎さんの先代は、馬が好きで、なかなか良い馬を飼っていた。ある日、山仕事をおえて山から馬をひいて帰る途中、一匹の山犬に出会った。その山犬はクラシシかもしかを捕って食べ、のどにその骨がささり、苦しんでいたので、可哀想に思いのどに手を入れてその骨をとってやった。山犬は苦しいところを助けてもらって、喜んで奥山へ姿を消した。4、5日たった朝、縁側に立派な馬の轡がおいてあった。誰も知らないという。これはあの山犬がお礼に来てくれたに違いない。畜生でも恩を知っているとは感心な事と言って、この轡を家宝として代々承け伝えてきたという。同家には今もその轡が保存されている。昔からの言い伝えは、30頭の獅子も聞きおよんでいることだろう〓

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