2013年2月23日土曜日

深山奥山だより 2月23日積雪20センチ夜半に降った雪が朝には止んで陽が射してきた。清見町上小鳥かみおどりから六厩へ越す松ノ木峠と、六厩から軽岡を越えて三尾河へおりる軽岡峠は、人家のとぎれた峠道で、白川街道の難所とされていた。冬は2、3メートルの積雪で難儀し、夏は虻の群襲に悩まされた。斐太後風土記には、軽岡と松ノ木の虻は三種いて、大きいのはひぐらし蝉ぐらいで好んで牛馬の血を吸うのでウシアブといい、中ぐらいのは蜂ほどで小さいのが蝿くらい、いずれも日中群がり襲って人馬を刺すという。それで日中を避けて夜か明け方に通った。また地獄谷や火山ひやまには野生猿と羚羊かもしかが多く棲んでいたという。荘川から郡上を経て美濃や越前方面へ越すには、古くは一色の奥栂峠を越え、近世のはじめころからは寺河戸奥の山中峠を越えて郡上みぞれに出た。一色の北大洞峠は鷲見街道として往来がさかんだった。他に尾上郷峠、町屋峠、麦島峠など大小の峠を越えねばならなかった。いよいよ村へ近づき軽岡の峠のつじに立っ
て、はるか白山の麓にひらけるふるさとの山河を見ては、どんなにか、旅の疲れを忘れたことだろう。又ふるさとを離れ旅に出る者は、おらが荘川出てゆくときにゃ三度見返す牧戸橋と荘川民謡にも唄われているとおりだ。荘川村史より〓

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